サロンから「業務委託」で報酬を受け取っているアイリストは、確定申告を自分で行うことになります。サロンが年末調整をしてくれる「雇用」とは、税金のあつかいが変わります。

そしてアイリストには、ネイリストなど他のサロン職にはない前提があります。まつ毛エクステの施術は美容師法上の「美容」にあたり、施術には美容師免許が必要とされています。この違いは、独立するときの手続きにも影響します。

※この記事は2026年8月時点の情報です。

業務委託で働くと、税金の手続きが自分の側に移る

雇用されて働く場合、所得税はサロンが給与から天引きし、年末調整までしてくれます。自分では何もしなくても手続きが終わります。

業務委託の場合は、この仕組みがありません。受け取るのは給与ではなく報酬なので、1年分の収入と経費を自分で集計し、確定申告することになります。

「サロンに毎日出勤しているから雇用だと思っていた」という声は少なくありません。ただ、税務上の区分は勤務の実感ではなく、契約の内容で決まります。

まず、自分の契約がどちらか確かめる

手元の書類で見分けがつきます。

  • 契約書の題名が「業務委託契約書」か「雇用契約書」か
  • 受け取る明細が「報酬」か「給与」か
  • 年明けに届く書類が「支払調書」か「源泉徴収票」か

「支払調書」が届いていれば業務委託、「源泉徴収票」なら雇用、というのがひとつの目安です。どちらも届いていない場合や、書類が手元にない場合は、サロンに確認するのが確実です。

判断に迷うときは、契約書を持って税務署の窓口で相談することもできます。

アイリストの経費は、材料費を誰が出しているかで変わる

業務委託では、仕事のために使ったお金を経費として差し引けます。ただしアイリストの場合、何が経費になるかは契約によって大きく変わります。

グルー、リムーバー、ツイーザー、エクステの毛──これらをサロンが用意しているのか、自分で買っているのか。ここが分かれ道です。

  • 自分で購入している場合:材料費として経費になりうる
  • サロンが用意している場合:自分の経費にはならない

材料以外にも、経費になりうるものがあります。

  • 講習会やセミナーの受講料
  • 技術の資格取得にかかった費用
  • 施術に使う消耗品
  • サロンへの交通費(自分で負担している場合)
  • 施術用の制服やエプロン

自宅を作業場として使っている場合は、家賃や光熱費のうち仕事に使った割合ぶんを経費にできることがあります。割合の決め方には考え方があるため、判断に迷ったときは税務署や税理士にご確認ください。

なお、経費として計上するには領収書やレシートを保管しておく必要があります。金額が小さいものほど後回しになりがちですが、あとからまとめて思い出すのは難しい作業です。

独立して自分のサロンを持つなら、届出は2か所

ここがアイリストと他のサロン職で最も違うところです。

自分でサロンを開く場合、届出先が2つあります。

1. 税務署への開業届

事業を始めたことを税務署に知らせる手続きです。青色申告を選びたい場合は、別途「青色申告承認申請書」の提出も必要になります。

2. 保健所への美容所開設届

まつ毛エクステは美容師法上の「美容」に該当するとされており、施術は美容所で美容師が行うこととされています。そのため、自分のサロンを構える場合は保健所への開設届が必要になります。

厚生労働省は平成20年3月7日の通知で、まつ毛エクステンションが美容師法に基づく美容に該当することを示しています。

税務署の開業届だけを済ませて、保健所の届出を知らないまま開業してしまうケースがあります。この2つは別の手続きで、片方だけでは足りません。要件や必要書類は自治体によって運用が異なることがあるため、開業前に管轄の保健所へ確認してください。

面貸し(ミラーレンタル)で働く場合は、その場所が美容所として届出済みかどうかがポイントになります。こちらもサロン側に確認しておくと安心です。

確定申告が必要になる目安

すべての人に申告義務があるわけではありません。

会社などで給与をもらいながら、副業としてアイリストの仕事をしている場合は、給与や退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になります(出典:国税庁 No.1900)。

アイリスト一本で働いていて給与がない場合は、所得が一定額を超えると申告が必要です。この基準額は年によって変わることがあるため、最新の金額は国税庁のサイトや税務署でご確認ください。

なお、所得は「売上そのもの」ではなく「売上から経費を引いた金額」です。経費を記録しておくことが、そのまま判断材料になります。

また、申告が不要な場合でも、住民税の手続きは別に必要になることがあります。お住まいの自治体にご確認ください。

よくある質問

Q. サロンが源泉徴収してくれている場合も、確定申告は必要ですか?

報酬から源泉徴収されていても、それは概算の前払いです。年間の所得が確定するのは申告のときなので、必要な場合は確定申告を行います。払いすぎていた場合は還付されることもあります。

Q. 業務委託と面貸しは違うものですか?

働き方としては近く見えますが、契約の形が異なります。業務委託はサロンから仕事を受けて報酬を得る形、面貸しはサロンの席を借りて自分のお客様に施術する形です。どちらも確定申告の対象になりますが、経費として計上できるものの範囲が変わります。契約書で確認してください。

Q. レシートをなくしてしまいました。経費にできませんか?

領収書がない場合でも、出金伝票などで記録を残す方法があります。ただし内容によって扱いが変わるため、税務署にご相談ください。

数字が止まってしまう前に

経費になるかどうか以前に、「これは何費だろう」で手が止まる。これは、エールを開発した榮原自身が独立したときにつまずいた場所でもありました。レシートの山を前に、名前のつけ方が分からないまま時間だけが過ぎていく。

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確定申告の書類づくりまで使う「経理モード」は月490円(税込)です。なお、エールはe-Taxでの電子申告には対応していません。書類の作成と印刷までをお手伝いし、提出はご自身で行っていただきます。

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※この記事は一般的な情報の紹介です。個別の判断については、税務署または税理士にご確認ください。

出典